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G.17.3.3.2 モーダル減衰

明示的な減衰

EXPLICITオプションでは、いくつかのモードまたはすべてのモードに一意のモード減衰値を与える必要があります。各値は、スペースなしの繰り返し係数(rf*damp)を各値の前に置くことができます。 

DEFINE DAMPING INFORMATION
EXPLICIT 0.03 7*0.05 0.04 -
0.012
END

上記の例では、モード1の減衰は0.03、モード2~8は0.05、モード9は0.04、モード10(および、存在する場合のそれ以上のモード)は0.012です。

モードよりエントリが少ない場合、最後に入力された減衰が残りのモードに適用されます。EXPLICITを1行目だけに付けて、この入力を10行まで続けられます。その際、最終行以外の行の終わりにはスペースとハイフンを付けます。ENDの前であれば、EXPLICIT行のセットを追加できます。

減衰の計算

質量と剛性比例減衰またはそれらのいずれかに基づくモーダル振動数によるモードi = 1~Nまでの減衰を計算するために使用される式(CALCULATEの場合)は次のとおりです。

D(i) = (α /2ωi) + (ωiβ /2)

得られる減衰が、最大減衰MAXの値を超える場合は、MAXが使用されます(デフォルトはMAX=1)。得られる減衰がMINより小さい場合は、MINが使用されます(デフォルトは、MIN=1.E-9)。これは、減衰D = (αM + βK)と同じです。 

例:

DEFINE DAMPING INFORMATION
CALC ALPHA 1.13097 BETA 0.0013926
END

4Hzで4%減衰、12Hzで6%減衰を得るには  

モード Hz Rad/sec 減衰比
1 4.0 25.133 0.04
3 12.0 75.398 0.06

D(i) = (α /2ωi) + (ωiβ /2)

0.04 = α / 50.266 + 12.567 β

0.06 = α / 150.796 + 37.699 β

α = 1.13097

β = 0.0013926

それらがどのように決定されても、αとβの項は上記のCALCデータに入力されます。この例では、振動数に対する減衰の変化を見るために、他の振動数での減衰比を計算します。

モード Hz Rad/sec 減衰比
1 4.0 25.133 0.040
3 12.0 75.398 0.060
  2 12.0664 0.05375
  8 50.2655 0.04650
  20 120.664 0.09200
  4.5 28.274 0.03969

剛性にβをかけた減衰は振動数に対して線形に増加し、質量にαをかけた減衰は放物線的に減少します。2つの合成は、双曲線的になります。

MaxとMinの値を適用した、減衰比D(i) - 固有振動数ωのグラフ

減衰の評価

(モード振動数による減衰を評価するために)EVALUATEに対して使用される式を次に示します。

初めの2つのモードの減衰は、入力によりdminにセットされます。 

dminと初めの2つの周波数ω1、ω2、およびi番目のモーダル周波数ωiが与えられる場合のモードi = 3~Nに対する減衰。

A1    =  dmin / (ω1 + ω2)

A0    =  A1 * ω1 * ω2

D(i) =  (A0 / ωi ) + (A1 * ωi )

得られる減衰が、最大減衰dmaxの値を超える場合は、dmaxが使用されます。

例:

DEFINE DAMPING INFORMATION
EVALUATE 0.02 0.12
END

dmin = .02、dmax = .12、またωiが次に与えられているとおりの場合

モード ωi 減衰比
1 3 0.0200
2 4 0.0200
3 6 0.0228568
N 100 0.1200(.28605として計算され、入力された最大値に再設定される)